万八日記

初めまして、万八です。読んだ本や聞いたラジオ、旅、仕事で考えた事など、日々の感想を日記風に書かせてもらいます。皆さんが気楽に楽しめる文章を書きたいです。よろしくお願いします。

私にとっての英雄 栗城史多さんを悼む

登山家の栗城史多さんがエベレスト下山中に死亡したことが5月21日にわかったそうです。
35才でした。

bit.ly

公式FBで「このようなお知らせに成り大変申し訳ございませんが、エベレストで下山途中の栗城が遺体となり発見されました」と報告。
下山途中に無線連絡に反応がなくなり、キャンプ近くの撮影隊が捜索し、
「先ほど、低体温で息絶えた栗城を発見いたしました」と亡くなった状況を説明していました。

 

栗城さんはこの4月から8度目のエベレスト登山に挑戦中で、20日にはFBに「今、7400mのところに来ています。今は、このエベレストを苦しみも困難も感じ、感謝しながら、登ってます」と手記に書いていました。
しかし、日本時間の午前中に「(栗城中継班より)栗城は体調が悪く、7400m地点から下山することになりました」と報告されていました。

一歩を越える勇気

一歩を越える勇気

 

栗城さんは1982年北海道生まれ。
大学山岳部に入部してから登山を始め、6大陸最高峰を上り、8000メートル峰4座を無酸素、単独登頂に成功しています。
しかし、2012年秋にエベレストで重度の凍傷となり、手の指9本を失います。
その後、14年にブロードピークに無酸素・単独登頂、15年、16年にエベレスト登頂に挑むも途中下山しており、今年4月17日から8度目の登頂に挑戦中でした。

www.kurikiyama.jp

私は1983年生まれなので、彼と同世代という認識を持ち、様々な山峰の頂きを目指す彼に、勝手な親近感と尊敬を抱いていました。
彼が大学生の頃に、単独で北米最高峰マッキンリー6194m登頂を果たした姿には、羨望の眼差しを向けていました。
凍傷により指を失ったことも知っており、その後もチャレンジする彼を見て、感服の思いでした。

 

彼のオフィシャルサイトには、

何かに挑戦するということは、成功・失敗、勝ち・負けを超えた世界が必ずあるということです

と書いてありますが、常にチャレンジする姿勢を忘れない方でした。

 

一体、チャレンジ中の死が敗北なのか、勝利なのか…。
第1次南極越冬隊の隊長だった西堀栄三郎さんが、一緒にパーティーを組んだ仲間が登山中に死んでしまったことを後日思い返し、死んだ仲間には大変申し訳ない。責任も感じる。もちろん、責任を取らないといけない。
でも、一体、責任を取るということはどういうことなのか、自分が山で死ぬことなのか、それとも山で生き抜くことなのか、あるいは、山には一生登らないと決めるのか、それとも、今以上に懸命に山を登ることなのか…、一体どうしたらいいのかを真剣に考えた、と仰っていたことを思い出しました。

 

私も今回のことは自分でも意外なくらいショックを感じています。
同世代の英雄が亡くなった気分なのかもしれません。
西條秀樹さんが亡くなられた気分、というのを、西條さんと同世代の方はこんな喪失感として持っているのかな、と思ってしまいました。
嗚呼。

 

栗城史多さん、どうぞ安らかにお休みください。
激しく強く生きた人生は、きっと去り方も激しく強く、振り返れば一瞬なのでしょうね。
でも、私はあなたを忘れないし、あなたの分も生きないといけない、とこれも勝手に思っています。
合掌。