万八日記

初めまして、万八です。読んだ本や聞いたラジオ、旅、仕事で考えた事など、日々の感想を日記風に書かせてもらいます。皆さんが気楽に楽しめる文章を書きたいです。よろしくお願いします。

平成最後の全国戦没者追悼式について

今日は8月15日。平成最後の全国戦没者追悼式が開催されました。
この戦没者追悼式にて述べられた天皇陛下のお言葉が掲載されています。

www.nikkei.com

短いお言葉ですが、「世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります」と締められた言葉に隠された日本国天皇としての強い責任と覚悟は見倣わないといけない、と思いました。

 

天皇としての存在が最も疑われた1945年8月15日に、今なお同日、象徴天皇として立たれている今上天皇には、時代を超えた責任と覚悟が常にあるのでしょうね。
天皇の継承行為と同じくらい、日本国のために犠牲となった戦没者追悼式が連綿と続けられるよう、こうした行事は大切にしたいものです。

 

NHKラジオでは高橋源一郎と読む「戦争の向こう側」」という番組を放映しています。
この中では、戦争体験者が感じたことや考えたことが紹介されており、文学の中で戦争を直接的に描かなくても、戦争の残酷さ、つらさ、虚しさを筆致した方たちの作品が紹介されました。

www.nhk.or.jp

例えば、向田邦子さんのエッセイ「ごはん」
この作品では、歩行者天国の話に始まり、1945年3月10日の東京大空襲の話が回想されながら描かれています。
歩行者天国を歩く気まずさと、大空襲の際に仕方なく靴を履いたまま、畳を歩いた事とが対比され、時代感覚を払しょくしながらも、戦争の事実について描いており、
ステキな作品に仕上がっています。

 

東京大空襲を受けて、いつ死ぬともわからない状況の中で、せめて上手いものを食べて死のう、と父が言い、親子5人で車座になって、白米や精進揚げやサツマイモの天ぷらを食べるのですが、その後、5人で昼寝をします。
なんだかそうした呑気だけれど、現実的で、刹那主義的でもありながら、人生に絶望している様子を描くでもない、最後の晩餐になりかねない状況を向田さんの筆致は悲劇的には描かず、勿論、恐怖も怒りもなく、ただ状況を突き放しながら自分らしい文章でユーモアを交えるような調子で描くのは見事だと思います。


また、今日の日経新聞1面の「春秋」では、

月遅れのお盆と、終戦の日が重なったのは歴史の偶然だ。が、平和国家の建設には幸いだったのかもしれない。…死者を悼み、彼らの無念を忘れずに戦後社会を築く精神風土を育んできた

と書かれています。

www.nikkei.com

また、天皇のお言葉として、

年々、戦争を知らない世代が増加していきますが、先の戦争のことを十分に知り、考えを深めていくことが日本の将来にとって極めて大切なことと思います 

 とも書かれ、その理由として、

(国民の)総意を形成するひとつの要素が、過去に対する共通の理解だとお考えのようだ

 と紹介されています。

 

今日8月15日の12時00分、私は黙とうもできなかったのですが、ただの知識としての歴史ではなく、自分の体内で息づかせる生きた歴史意識が、一人一人に身にあることが大切なのだなぁ、と思います。
私もそうした行為に参加したい、と考えています。

 

あなたの人生の主人公はあなた。
今日も素晴らしい一日でしたね。
明日も素晴らしい一日を過ごしましょう。

お互い、頑張りましょうね。
では、また。