万八日記

初めまして、万八です。読んだ本や聞いたラジオ、旅、仕事で考えた事など、日々の感想を日記風に書かせてもらいます。皆さんが気楽に楽しめる文章を書きたいです。よろしくお願いします。

冤罪を乗り越えた村木厚子さんについて

日経新聞電子版NIKKEI STYLEの「出世ナビ」というコーナーに、

「リーダーの母校」と題して、村木厚子・元厚生労働事務次官が語る(上)」

という記事が掲載されていました。

 

村木厚子さんは、2009年に冤罪(えんざい)事件に巻き込まれましたが、

無罪判決を受けて復帰し、厚生労働事務次官まで勤め上げました。

柔らかな物腰ながら、厳しい状況にも冷静さを失わず、

信念を貫く毅然とした態度が深い印象を残す村木さん。

 

本人曰く、学生時代は極度の対人恐怖症だったそうです。
私立土佐中学校・高等学校高知市)時代から教師や友人に見守られ、

ゆっくり、一歩ずつ人間関係を築く練習ができた、ということです。

style.nikkei.com

村木さんについては、
9月初旬に、ご著書『日本型組織の病を考える』(角川新書)を買い、

読ませて頂いたところでした。

本書には日本の組織が持つ害悪を断つために何をするべきなのか書かれていますが、

読みやすく、冷静な筆致で、きっと官僚としても素晴らしい上司であった彼女の姿を

彷彿とさせられました。 

日本型組織の病を考える (角川新書)

日本型組織の病を考える (角川新書)

 

 話題の中心は村木さんを成長させてくれた高知県高知市にある

私立土佐中学校・高等学校の事だったので、

今回は冤罪について詳細に書かれているわけではありません。

 

個人的に興味深かったのは、子どもの頃から本が好きだった、という話題の中で、

シャーロック・ホームズから始まって推理小説が好きになり、

中高ではエラリー・クイーンなどを読みました 

 という部分。

 

上述した著書でも、名探偵コナンが好き、と書かれていて、

それが検査官の嘘を暴くきっかけになった、という記載があります。

刑務所の中にいるのに自分自身を突き放してユーモラスにも描かれているので、

さぞ強く魅力的な女性なのだろうな、と想像していただけに、可笑しかったです。

 

以下は冤罪事件のことを耐えられたきっかけとして中高時代がどのように

関わっているのかを問われた村木さんの言葉から。

 

「今この場面で自分をよくみせなきゃ」
「ここでこうしたらこう思われるのでは」
といったその場限りの心配がなく、親もそうですが、
長い目でじっくり見てくれる先生や友人を持てたのがよかった。
最初は足りないと思われても、その先もずっとちゃんと見ていてくれる。
焦らなくても、こんな私でも大丈夫。見捨てずに付き合ってくれる人がいる。
これは大きな自信になりますよね。
「自分なんかダメだ」と思わずにいられたことが、ものすごく大きな支えになりました。
あの学校で自分のベースを作ってもらった気がします。

また、続けて語ります。

 

(郵便不正事件で無実の罪で逮捕・勾留されるという)
あんな大きな出来事があってマスコミに出て
「きっとあいつは悪いやつに違いない」
「あの人あんなことやったの?」と思う人がたくさんいても、
「それは違うよね」と分かってくれる人がいる。
そういうことがあっても、じっくり付き合っていけば
自分のことをちゃんと分かってもらえる。
この自信に支えられました。
もしも子どものころから
「あの人も、この人も去っていった」という経験ばかりしていたら
不安があったかもしれないけれど、
数は多くなくても長続きする落ち着いた関係をもらえたのが、
よかったかもしれませんね。

 

苦闘の背景にご自身の見事な忍耐力や知性もありますが、
加えて素晴らしい友人や同期、先生の存在があったのですね。
村木さんのご著書も面白いので読んでみてください。

 

あなたの人生の主人公はあなた。
今日も素晴らしい一日でしたね。
明日も素晴らしい一日を過ごしましょう。

お互い、頑張りましょうね。
では、また。