朝礼での話題①
私の会社では、週初めの朝礼で、出席者にひと言を述べることになっています。
次回は私の番なので、その練習で、色々と面白い、と私が考える話題を紹介したいと思います。
来週、用事で福島県へ行くという状況の中、考えたのは、被災地で出会う機会が多いと言われる幽霊の話。『呼び覚まされる霊性の震災学』(新曜社)に収録された「死者たちが通う街?タクシードライバーの幽霊現象」は、東北学院大の工藤優花さんが宮城県石巻市のタクシー運転手が実際にあった幽霊について聞き取り、まとめたものだそうです。
このことは、偶然、テレビを見ていた際に、僕も耳にしました。
でもこれらは一体、真実なのでしょうか。
工藤さんらの卒業論文を指導した社会学者の金菱清教授は「幽霊をみることもよりも、幽霊現象を通して死生観、『死者』との向き合い方を考察することがこの論文の主題」と語られています。
被災地で幽霊の話を聞くのは決して、珍しいことではないため、幽霊現象は被災地域の死生観が象徴的に現れている事例だと考えられているようです。
柳田國男が『遠野物語』で書いたような、現代の私たちには夢物語のようにしか思えない異様な内容も、東北という地にはどこか現実味を持って表出してくるのでしょうか。
死者や喪失と人はどう向き合うのか。学生たちと東日本大震災の被災地を歩き、インタビューを重ね、調査を続けている。
フィールドワークをした工藤さんは、「幽霊」と出会った人たちはその存在に理解を示し、温かい気持ちで受け入れており、恐怖感は内容です。怪奇現象としてそれらを捉えるのではなく、死者に対する畏敬の念がある、と話を聞いて感じるようです。
また、金菱教授は語ります。
「被災地の人々が多様な死者へ払っている敬意から私たちはもっと学ばないといけない。死者の思いを受け止めない慰霊は、誰の感情に寄り添っているのか。もっと被災者の視点から問われないといけないのです」
一応、今日はここまでです。
夏真っ盛りだし、こういう怖くて知的な話に持っていければ、と考えていますが、いかがでしょうか。
次回はNHKで放送していたNHKスペシャル「震災での亡き人と」について書こうと思います。
明日も暑そうですね。
お互い、気を付けましょうね。
では、また。