2018年ノーベル経済学賞について
今年のノーベル経済学賞はウィリアム・ノードハウス氏とポール・ローマー氏に授与されました。
2人への授賞理由は「気候変動や技術革新をマクロ経済分析に統合した功績」ということです。
ノードハウス氏は環境問題を定量的に分析する「環境経済学」の分野の先駆者です。
1970年代から環境が経済成長に与える影響を分析され、地球温暖化を経済モデルに組み入れ、
経済成長の考え方に幅を持たせました。
また、炭素税の計算手法も確立しました。
ローマー氏は、イノベーションが経済成長の源泉であるとする「内生的成長理論」を確立し、
知識や技術革新の有無によって成長経路が異なることを示しました。
現在の経済成長論は、ローマ―氏の彼の理論によるものが主流をなしているようです。
ノードハウス氏はコネティカット州のエール大で会見し、
米国で気候変動を巡って大きな雑音が出ていることは問題だ
と指摘し、
米国でこれほど環境政策や気候変動政策への敵視があるのは極めて異常だ
と米政策の現状を批判しました。
また、トランプ大統領の名指しは避けながらも
気候変動は中国が自国の製造業を支援するために流した「でっち上げ」だ
と述べるトランプ大統領の主張に言及し、
気候変動の科学が19世紀に打ち立てられたことを踏まえると、極めてばかげている
とまで話したということです。
ノーベル経済学の日本人受賞者は未だにゼロですから、経済学賞への日本人の関心は比較的薄い、
と私は思っているのですが、それでも、今回の2名の受賞者をズバリ当てた方がいたようです。
それはそれで素晴らしいですよね。
当てたのは、慶応義塾大学の坂井豊貴教授。
ノーベル経済学発表前の8日午後、受賞者予想をツイッター上で示し、的中させた、ということです。
京都大学の依田高典教授は
この組み合わせを当てた坂井さんは神
とまで言うのですから、さぞ凄いことなのでしょう。
選考委員7人の名前は公表されるため、7人全員の専門や過去に書いた論文を調べ、
特にローマー氏が専門とするマクロ経済学に詳しい選考委員が今年は多いことをつかんでいた、
ということです。
ちなみに、本記事の最後には、
ちなみに坂井氏の専門には、人と人の理想的な組み合わせなどを研究する「マッチング理論」がある。
と、ささやかなユーモアが書かれていて、文章としても面白かったです。
あなたの人生の主人公はあなた。
今日も素晴らしい一日でしたね。
明日も素晴らしい一日を過ごしましょう。
お互い、頑張りましょうね。
では、また。
梯久美子さんの講演を拝聴しました
昨日、JR千葉駅に直結している駅ビル「ペリエ」の屋上階にあるペリエホールで開催された、
ノンフィクション作家梯久美子さんが語る「原民喜 千葉での愛の日々と、その生涯」
の講演を聞いてきました。
本日の梯久美子さんのくまざわ書店ペリエ千葉本店でのイベント、大盛況でした。ありがとうございました。妻と幸せな日々をすごした千葉ならではのお話でした。妻の看取りと原爆による死の違いから「夏の花」を読む、原爆作家にとどまらぬ、しかし原爆を書いて稀有な原民喜に迫るお話でもありました。 pic.twitter.com/PSM1HvBZxm
— tomoka watanabe (@scentofmatin) October 7, 2018
原民喜は1905年、広島県生まれで、慶応義塾大学に入学、山本健吉さん等の
優れた文学者に才能を認められるも左翼活動を行った罪で拘留されたことをきっかけに、
千葉へ退きます。
そこで1933年に結婚した妻貞恵さんを亡くし、広島県へ疎開、
1945年8月6日に広島に落とされた原爆の被害を受けるも生き残り、再度上京します。
しかし、1951年3月13日、中央線の線路上で身を横たえ鉄道自殺をします。
最も有名な作品は広島の原爆について著した『夏の花』でしょう。
それ以外にも、「心願の国」「焔」「忘れがたみ」、詩人としても作品を残しており、
最近になって、様々な書物が復刊されています。
今回は千葉駅付近での開催でしたので、原民喜の奥様貞恵さんが亡くなった
千葉の病院での話もして頂きました。
私は原民喜については、遠藤周作さんがエッセイで触れていたことでお名前だけは
知っていました。
そこからは、優れた戦争文学を書いた方、というようなイメージを持っていました。
そうしたイメージは正しかったのですが、梯先生が離された原民喜のイメージは、
それに加えて、今の言葉で言えば「コミュ障」で生きることに苦労しながらも、
優れた友人に文学者として認められ、奥様にも愛され、
奥様亡き後も哀しみの中に留まり、生き、残すべきものを残して死んでいった姿であり、
新鮮なイメージを与えて頂きました。
この原民喜が今になって改めて読まれている理由を知りたく思ったので、
質問させて頂くと、純粋に文章が美しいから、というお答えには不思議と納得がいきました。
また、原民喜が人の悪口を書いたりせず、自分の歌を生涯ただ歌い続ける、
経済的には生産性なんて全くない、という生き方を貫いたため、
そうした姿勢も生き方としては悪くないのではないか、と語られ、
こういう発想も現代に受け入れられそうだな、と思いました。
それ以外にも、彼の性格が現代の若者にも元気を与えていたり、哀しみに留まる、
という姿勢が、3.11の東日本大震災で心身共に傷ついた心に、ゆっくり悲しんでいいんだよ、
といったメッセージを伝えているのかもしれない、と思ったりもしました。
梯先生もユーモアがあり、女性らしい直感性を持った方で、魅力的な御人でした。
私自身は、こういう文学に関する話しを聞くことも大事だと思っています。
会社や仕事、経営や経済、政治に加えて、こうした文学への視点を大切にしたいです。
あなたの人生の主人公はあなた。
今日も素晴らしい一日でしたね。
明日も素晴らしい一日を過ごしましょう。
お互い、頑張りましょうね。
では、また。
昨日のラジオ番組は盛りだくさんで面白かったぁ!
昨日、ニッポン放送18時から「オールナイトニッポンプレミアム」でオリエンタルラジオの中田敦彦さんが2時間半、喋り通していました。
中田さんのトークは初めて聞きましたが、面白い方ですね。
ついつい「幸福洗脳」のTシャツ、買ってしまいました。
このTシャツはなんてことはない、ただ「幸福洗脳」と文字が書かれたもので、
1万円もするのです。
でも、中田さんのトークにグイグイ惹かれて、この日は購入に流れてしまいました。
お見事!!。
中田さんの発言の中から、マーケティング、ターゲット、といった言葉が出てきて、
しっかりと戦略的に芸人をされており、数と論理とで考えながら世間で勝負している点
が興味深いと思いました。
同世代の方なので、見倣わないと。
本ラジオをずっと聞き通したかったのですが、
20時からJ-WAVEの「JAM THE WORLD」では同じく同世代の安田菜津紀さんが
ニューススーパーバイザーだったので、20時からはそちらを聞きました。
ニューヨークタイムズに掲載された沖縄県知事選のこと、中
国の軍事境界線での地雷が100万個あるということ、
地雷を除去した後に、キャッサバを植えて、焼酎を作る試みがされている、ということ、
生活者一人一人への視点を大事にされており、日常を取り戻すために何をするか、
等を語って頂きました。
また、2017年10月、岡山県中国自動車道でスペアタイヤが落下し、
死亡事故が発生したことについて、道路への落下物がなぜ無くならないのか、
どんな対策が必要なのかを考えられていました。
タイヤ以外にも、人の大きさほどの機械部品、洗濯機、コンテナ等、
社会で使われているものは落下物になり得る、ということ。
過積載による落下物もありますが、それだけではなく、横転、スリップも生じますし、
落下物による事故は自損事故になる、ということです。
不測の事態で事故に遭っても、自分の責任になる、というのはひどい話ですね。
昨日はこの両名のラジオに加えて、22時からは荻上チキさんの「Session22」がありますので、
同世代が素晴らしい活躍をされているのを耳にした日でした。
私も頑張らないとなぁ、と思います。
最近は仕事で落ち込むことが多いのですが、中田さんのラジオを聞いていて、
元気が出ました。
あなたの人生の主人公はあなた。
今日も素晴らしい一日でしたね。
明日も素晴らしい一日を過ごしましょう。
お互い、頑張りましょうね。
では、また。
第4次安倍内閣発足とノーベル化学賞決定
安倍晋三首相は本日午後、第4次安倍政権発足後初めての内閣改造を実施しました。
全19名のうち、初入閣が12名、留任が6名、再入閣が1名でした。
安倍首相の発言によれば、それぞれの能力を十分に考慮した実務型の人材であり、
明日の人材を切り開ける「全員野球内閣」ということです。
荻上チキさんが出演されているTBSラジオ「Session22」によれば、
第4次安倍内閣は経験と能力があり、総裁選にも投票してくれた方々が選択されている人事のようです。
安倍首相陣営は総裁選が始まる前日の9月20日昼、
東京都内のホテルで「必勝出陣の会」が開催され、
首相を支持する衆参議員用に験担ぎのカツカレーが333食分振る舞われたのでした。
そんなところから、「カツカレー内閣」とも揶揄されですね。
安倍首相は憲法改正に意欲がある様子が見られ、
2019年の参院選での勝利にも視野が及んでいるようです。
また、本日の安倍首相へのインタビューで、
外国人のある女性が、今の時代を考えたときに、女性閣僚が少ないのではないか、
と質問された時の安倍首相の回答が無難ではありましたが、
たどたどしかった点もラジオでは述べられていて、考えさせられました。
さらには、様々な事件に関与し、辞任や引責した甘利明氏や稲田朋美氏が重役に就いています。
こうした人たちの在り方もこれで良いのか。
これから一体、どうなるのでしょうか。
抜かりなく監視していきたいところです。
さて、昨日発表されたノーベル医学・生理学賞受賞は本庶佑京都大学教授でしたが、
本日発表されたノーベル物理学賞は米ベル研究所のアーサー・アシュキン氏と米ミシガン大学のジェラール・ムル氏、カナダ・ウオータールー大学のドナ・ストリックランド氏の3名でした
彼らの業績は、レーザー光を操る新しい物理学の発展に貢献した、というものです。
アシュキン氏は、光の力を利用して微小な細胞などをピンセットのようにつかむ技術を確立、
ムル氏とストリックランド氏は、光を断続的に放つ超高出力のレーザーを開発し、
医療現場などに革新をもたらしました。
明日はノーベル化学賞の発表があります。
これも個人的には楽しみです。
あなたの人生の主人公はあなた。
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明日も素晴らしい一日を過ごしましょう。
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では、また。
本庶教授、ノーベル生理学・医学賞受賞おめでとうございます!
スウェーデンのカロリンスカ研究所は1日、2018年のノーベル生理学・医学賞を、
京都大学の本庶佑特別教授(76)と米テキサス大学のジェームズ・アリソン博士
に授与すると発表しました。
授賞理由は「免疫抑制の阻害によるがん治療法の発見」。
本庶氏は人の体を守る免疫の仕組みを突き止め、免疫療法の発展に貢献し、
様々ながんで効果が出る新薬の実現に繋がる研究を行いました。
加えて、リウマチなどの病気の治療を目指した研究も進んでいて、
幅広い病気の治療で貢献すると期待されています。
本庶先生は、私が大学生の頃、今から10年くらい前から偉大な研究者として名前が知られており、
ノーベル賞受賞も間違いない、と言われていた方です。
読売新聞が予測したノーベル賞受賞者には常に入っていたのではなかったでしょうか。
日本のノーベル賞受賞者は2016年の東京工業大学の大隅良典栄誉教授に続き26人目です。
本庶氏が発見したのは、がん細胞が免疫を働かないようにして、がん細胞の身を守る仕組みです。
1992年に免疫細胞であるT細胞の表面で「PD-1」というたんぱく質を発見し、
1998年には免疫の働きに深く関わることを突き止めました。
PD-1にはT細胞の働きを調整するスイッチの役割があり、
がん細胞はPD-1に働きかけてブレーキをかけ、免疫からの攻撃を巧みにかわし、
正常な細胞を攻撃していました。
そうした仕組みを生かした治療薬が、
小野薬品工業と米製薬大手ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)が共同開発した
有名な「オプジーボ」です。
オプシーボは2010年代半ばから販売が始まりした。
難治性がんの悪性黒色腫(メラノーマ)や肺がんの治療薬として使われ、多くの患者に光明をもたらしています。
こうして様々な研究が日夜行われ、何かしらの成功と失敗があり、それが世界を作っているのでしょうね。
なお、日本科学未来館のHPでは、2015年に彼らの受賞を予想していました。
2015年ノーベル生理学・医学賞を予想する① 免疫制御の分子の発見とがん治療への応用 | 科学コミュニケーターブログ
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日米共同声明について
台風24号が近づいていますね。
私が住んでいる関東地方では、本日の真夜中から明日の未明にかけて
風雨がひどくなるとのことです。
皆さんも気を付けましょう。
さて、私は金曜日から土曜日まで、箱根の仙石原へ行ってきました。
箱根甲子園、という池のほとりに位置するホテルへ泊まりました。
なかなか良かったですよ。
徐々に雨が降ってきましたが、涼しい気候の中、のんびりとした日々を過ごせました。
また、生放送は見られなかったのですが、日曜日午前8時から放送している
「サンデーモーニング」。
同世代で尊敬する荻上チキさんや安田菜津紀さんが多く出演するので、見ています。
この番組自体も批判がありますが、勉強にはなります。
今回、考えさせられたのは先週、日米2国間で協議するTAG「物品貿易協定」について。
TAG(Trade Agreement on Goods)とは、複数国の間でモノの輸出入にかかる
関税の引き下げや撤廃について定める協定のようです。
日経新聞では「日米新協議」を行う、と主張されていたので、
安倍首相が米国追随主義だけを取っていない点において、評価したいと考えていたのですが、
日米共同声明には、議論完了後は他の貿易・投資も交渉を行う、と書いてるとのことです。
つまり、これではアメリカが日本にかねてから交渉を求めていた
FTA(Free Trade Agreement)「自由貿易協定」と同じなのではないか、
という声があるとのことです。
AP通信も日米がFTAの交渉を開始した、と報じているようです。
FTAの交渉になっては、韓国が例として挙げられるように、
日本にとって絶対的に有利にはならない、という見方が優勢のようです。
9月28日の日経新聞には、
貿易戦争を憂えてばかりいても仕方がない。日本は新たな現実を見据え、したたかな戦略を描く時だ
日本には複眼志向の通商戦略が欠かせない
と書かれていました。
確かにそうだな、と思っていたのですが、現実的な視点ではなく、
勝手に抽象度を上げて自分に都合が良いように考えてしまっていました。
まだまだ世の中のことは分からないことが多いし、二次情報だけで、
言わばラクをして考えているなぁ、と反省しました。
きちんと安倍首相の生の発言を聞いて、自分の頭で胎落ちするまで考えないと。
サンデーモーニングに出演されていたジャーナリストの青木理さんが述べられていたように、
これからどういう日米関係、アジアの平和を考えるのか、外交の絵図が無いのが寂しい、
という発言にも同感しました。
あなたの人生の主人公はあなた。
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明日も素晴らしい一日を過ごしましょう。
お互い、頑張りましょうね。
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『新潮45』について
朝日新聞は本日の朝刊で、一昨日急に休刊を決めた『新潮45』について、論考を載せています。
『新潮45』の休刊に際して、直接の引き金となったのは、
2018年8月号に掲載された杉田水脈衆議院議員の寄稿と、それに付して
10月号で企画された「そんなにおかしいか「杉田水脈」論文」でしょう。
それだけではもちろんなく、今、世界で敏感になっているLGBT問題を取り上げ、
それに対して過激な言葉で批判すれば面白がられる世間への甘えと
そうした行為に対する反省行動の稚拙さ、新潮社という組織のコンプライアンスの低さ、
そういった色々な点が世間での騒ぎと共に大きくなっていったことが原因だと考えています。
25日の新潮社での取締役会では、
有志50人超によって書かれた「謝罪や再発防止を求める」旨の要望書が提出され、
さらに『新潮45』休刊に対しては役員全員が賛成した、ということです。
こうした行為がまだ残っていることは、新潮社にとっての希望ですね。
でも、現在の論壇では、中国や韓国を過激な言葉で批判したり、
マイノリティーを罵倒したりした論調を紹介すると、一定数の読者が確保できる、
という前提が定着している、ということです。
ジャーナリストの江川紹子さんは、
思想の問題というより、保守を装ったマイノリティたたきが起きている
と指摘します。
また、ノンフィクション作家の保坂正康さんは、こうした事態は
現政権の枠組みの中で起きたことだ
一部のメディアは、現政権とその支持層だけを向いている
編集長に歴史観がなく、時の権力や売り上げに流された結果だ
と指摘します。
自らも同性愛者であることを告白した経済評論家の勝間和代さんは、
このまま続けていくのは論外で休刊は最低限やるべきこと。
でも、発売中止も回収もしていない。不買の動きや作家の反発に慌てただけでは
と鋭く指摘しています。
同じく、自らトランスジェンダーであることをオープンにされている遠藤まめたさんは、
休刊で言論を閉じるのではなく、なぜこういう特集を組んだのか、
誤っていた点はどの点なのか、経緯も含めて検証し、
別の雑誌でも良いので明らかにして欲しい
と話されています。
遠藤さんの意見には同感です。
『新潮45』は、ある年齢層にターゲットを絞って販売されていたビジネスモデルだけに、もっと成功していると思われていたハズ。
何かもっと力強い形で、今回のことをばねにして、伸びていって欲しいものです。
あなたの人生の主人公はあなた。
今日も素晴らしい一日でしたね。
明日も素晴らしい一日を過ごしましょう。
お互い、頑張りましょうね。
では、また。